FM day7/ Tulsa day13 はじめての診察
疲れがたまってるわけではないけど、なんだか今日は目覚めが悪かった…。
これからはなるべく23時には消灯するようにしよう。
午前中にお世話になる先生に挨拶に行ったところ、「今日なんか朝は割り振られてる患者さんがいないからお昼にまた来るよ」と言われて呆然…。
とりあえず他の先生を適当に捕まえてみて、シャドーイングすることにした。
先週も数日間つかせてもらってただけに、何かと話がしやすい。
略語とかもたぶん自分で調べるよりこの先生に聞いたほうが早いし、どんなバカな質問をしても快く答えてくれるからこちらの気持ちも良くなる。
ただPCP=primary care providerってのを聞いたときは少し恥ずかしかったけど…。
11時過ぎに一通り外来を終え、昼からお世話になる先生に挨拶に行ってみる。
診察室の1つを控え室にして研修医が3人ほど作業していて、そのうち2人の見た目は東洋人。
ただ話してみると1人は研修医で、もう1人はPA(Physicians Assistant:医師助手)の学生さん。研修医の方は生まれも育ちもアメリカだが、PAの学生さんはベトナム人で、ただ生まれ育ちはパリで、7年前にアメリカに来たとのこと。なかなかインターナショナルな部屋に配属されたもんです…。
自己紹介などを簡単に済ませていると、「じゃあ13時20分からの患者さんを担当してもらうね」と言われるも、最初は何を言ってるのか分からなかった。
Family Medicineのなかでもジョーク好きな先生と聞いていたからまたどうせ適当に言ってるんだろうと思っていたら、昼休み明けに
"So Mr.~ is in room9. Good luck! Here's the information that you'll be needing."
と電子カルテの一部を印刷した紙ぺらを渡される。
いやいやいや、無理があるっしょ…。
今まで1週間半外来を見てきたとは言えど、さすがに準備時間なしは…。
先生と話してみるも、「どうにかなるよ、患者さんを殺しさえしなければ大丈夫!」と諭され、結局1人で9番の部屋へ。
内容は個人情報が関係で書くことはできないが、意外となんとかなるもんだなというのが率直な感想。
もちろん出来具合としては目標には程遠いが、問診としての最低レベルはクリアできていたんじゃないかな…?
「患者さんから情報を聞き出しつつ、鑑別に必要なことを考えて問診の方向性を定め、さらに共感に示す。」
今まで見てきた先生方がいとも簡単にしていたため、あまり意識することがなかったけど、これを日常会話のペースでどんどん進めていくから今になって思うと頭の回転がめちゃめちゃ速いんだなぁと感心してしまった。
特に共感を示すことがこの中では飛び切り難しいのではないかなと思う。
単に「おつらいですね」とかではなくて、例えば処方した薬をしっかり飲んできていた場合や食事療法を守っていた場合は褒める必要があるし、当然対象が乳児、小児、成人、老人の場合で使う表現は少しずつ変わってくるし、そう考えるといかにコミュニケーション能力や表現の引き出しが必要か分かってもらえるはず…!!
しかも一通り問診が終わったらsummaryという次の難関が待ち受けている。
問診を通して得た情報、アセスメント、オーダーや治療法などのプランを上級医に説明する必要が出てくる。
まだ不慣れな交換留学生ということで患者情報をまとめるだけでよかったが、実習している医学生もPAの学生もアセスメント以降に関してもきっちり行っている。
特に3年生(日本の医学科で5年生に相当)も僕らと同じタイミングで実習が始まったはずなのに、既にある程度こなせるようになっているし、インターンで参加している2年生もなんならアセスメントまで行うようにしている。
こうして早い段階から経験させるからアメリカの研修医は日本よりもレベルが高いと言われるのかなぁと思ったりもする。
結局今日の午後は2人問診をさせてもらえたのだが、今となってはもっと問診をやってみたいと思うようになった。
結局は経験がすべてなのであって、わざわざオクラホマに来てまで外来をぼーっと見学するだけだと学べることもあまり多くはない気がするので…。
見学するという立場だと、
「なんであの先生はこんなこと聞いたんだろう」
「ひょっとして○○を疑ってるんかな」
とか先生の頭の中を垣間見ることはできるというメリットはあるが、なんせ退屈でインプットが中心になる。
いざ自分が聞く側になるとその分頭をフル回転させることになるからたった2人の患者さんでもめっちゃ頑張った気になる。
そのうえ、先生からも自分の到達度に応じたフィードバックをもらえるからなおさらありがたい。
残りの2日間は残念ながら担当の先生が違うので問診させてもらえるかは分からないが、聞いてみる価値はあるかも…!?