アメリカかぶれの自由帳

関西の大学5年生。思ったことや勉強したことについて手軽にまとめてみる…。

FM day3/ Tulsa day9

7/7 8:00~16:35

 

昨日と同様に8時に集合。

てっきり実習のスケジュールが届かないと思いきやまさかの朝6時に届いてた。

今日はどうやら午前と午後でshadowingする先生が違っていたようだったが、午前の先生はなんと院長。

ほかの先生方より少し遅れて8時半ごろに登場。

ひとまず挨拶に行くとなんか暗い。おじいちゃん先生だから反応が薄いのか、日本人の学生の世話をすることが嫌なのかよくわからないけど親しみにくい雰囲気…。

 

結局前半は12時40分まで、ぶっ通しで立ったままこの先生の患者さんの診察を見ているだけだった。

「急性期の患者さんは若い先生に任せるから、僕は慢性疾患しか見ないんだよ」

と言っていただけあって、どの患者さんも数十年の付き合いの人ばっかり。

中には祖父母もこの先生にお世話になっているという患者さんもいるぐらいで、これが家庭医療の魅力なのかなぁと思ったり。

診察の合間に「あの人は数年前に旦那さんを亡くしたんだけど本当はね…」とか「あの人は昔は違法ドラッグで苦しんでいて…」とか患者さんとかご家族の背景を本当によく知っているんだなぁという印象を受けた。

今までは単なる「かかりつけ医」としての側面でしか見ていなかったので、「家庭」医療の違った一面を見れたという点では勉強になったのかなぁと。

もちろん実習中は「あー早く座りたい。あと何人患者さんいるんかな」とか考えてしまっているのでこういった振り返りの意味を少しずつ見いだせている気もする。

 

この先生を見ていてもう1つ勉強になったのは褒め方。

「いかに共感を示し、傾聴できるか」ということはコミュニケーションで必須になるわけだが、認知症の妻を持つ夫に対し

I think what you're doing to her is as good as any doctor could do to her. You're doing a good job.

と発言したときは唸ってしまった。

今回の留学の目標の1つでもある「生きた英語の習得」をこういった会話を通して少しずつ習得できたら嬉しいのだが…。

 

個人的な意見ではあるが、「コミュニケーションが上手い人」というのは相手の発言に対して上手く反応できていて、必ずしも質問とかではなく興味や関心を示す言葉が違和感なくサラッと出せるような人のことな気がする。

特に英語になるとこのようなフレーズは教科書的に習うことではないのでなかなか咄嗟に出てくるわけではないのでなかなかに難しい…。

 

午後につかせてもらった先生も当然ではあるけどこれが上手かった。

乳児の定期健診で赤ちゃんのあやし方というか、常に言葉をかけている様子がお手本になった。僕の国語力でそれを上手いこと表現できないのが本当に残念ではあるけど…。

 

さらに残念なことにその先生の外来は1人だけ…。

その後は他の先生につかせてもらうことになった。カナダの大学を卒業してアメリカで研修をしている人で、頭にターバンをいつも巻いていたのでてっきり中東系の人かと思ってしまった。

さすが自由の国と呼ぶだけあって医師の格好も自由。

普段着で聴診器をぶら下げるだけ、スクラブ、白衣、スーツなど多種多様で、しかも通勤は車だからスクラブ姿で出勤する人もいる。

たしかLAにいたときもスクラブでバスに乗っている人も結構見たような気が…。

 

その先生の患者さんも16時まで来ないということでIMG(海外の医学部を卒業した人)目線でどうマッチングの対策をしたらいいかなど色々話を聞かせてもらった。

やはりstep1と2ckの点数が大事なようですね…。

 

今まではどちらかと言えばアメリカの家庭医療という分野を知ることに重きを置いていたので、明日は少し学習面について質問をしながら週末を迎えたいと思います。

 

FM day2/ Tulsa day8 そんなんアリかよ。

7/6 8:00~16:35

 

集合は昨日よりも1時間早く8時。

指導医は固定ではなくわりと自由に振られるため、今日はどんな先生になるかと思っているとまさかのスケジュールの変更により昨日と同じ先生になった。

 

特に文句があるわけでもないんだけど、愛想がないというか、質問にはとても丁寧に答えてくれるからありがたいけど、会話が弾みにくい人だからなんとなく気まずい…。

 

午前中に見た症例は4件。

精神科、整形外科2件、術後のフォローアップとまさバラエティに富む内容だった。

Family medicineは基本的に領域に関わらず、最初に患者さんが訪れる「かかりつけ医」なだけあって日本でいうと総合診療医に近いものなのかなぁと。

個人的な印象として、日本ほど開業医が多くないからFamily Medicineがアメリカでは重宝されるのかなぁと思ったり。

例えば日本だと「目の痒みと充血が治まらない」となったら真っ先に眼科を受診する人がほとんどであろうが、アメリカだと基本全部はFamily Medicineで診てもらう。

目薬出しときますねレベルの内容はここで裁き、状況が深刻であれば眼科への転院を紹介状付きで勧める。

一応レジデントだけでなくattendantにも診てもらえるわけだし、こうすることで間違った専門家の負担が減るだけでなく誤った診療科で受診することも減るからある意味理にかなっているように感じた。

 

 

12時前に午前の患者を一通り見終わり、昼食へ。

病院の2階には大きな食堂があり、医師は(看護師や事務員さんも…?)基本的に全部タダで食べられる。

食堂とはいっても、ピザやタコスなどのメキシカン料理、ジュースもコップは基本的に大サイズと、病院でもさすがアメリカだなと思わせるようなものが陳列してある。

2年前に来た先輩方は先生にご飯をご馳走になったそうだが、今回はあまりそうは上手くいかない気が…。

 

 

「13時20分に次の患者さんが戻ってくるからそれくらいに来てね」と言われていたので13時ごろに戻ってみると控え室には誰もいない…。

 

スイッチのオンオフがハッキリしているのも見学しているときに気づいたのだが、自分の患者さんが来るまで待っている間は基本的に控室は先生と学生が談笑している。

日本語ほど目立った上下関係の厳しさがないためか、学生でも上級医に気軽にジョークを飛ばしたりとゆったりしていて、そのうえ失礼さが全く感じられないのでとても雰囲気は良い。

しかも患者さんが来たら急にスイッチが入って真面目にアセスメントについて議論を交わしているからギャップに驚くこともしばしば。

 

結局自分の指導医は20分ちょうどに戻ってきたし、なんなら「真面目にやりすぎると疲れるでしょ」と言われた。

先生方も決して手を抜いているわけではなく、メリハリがついているだけである。

 

問題はここからで、どれだけ待っても患者さんが来ない。

事情を聞いてみるとこの患者さんに限らずよく起こることらしい。

しかもFamily Medicineでは特に多く、タルサでは公共交通機関がたまに来るバス以外にないからこうなってしまうとのこと。

仕方ないかと思って次の患者さんを待っていると、次も来ない。

さらにその次も来ない。

 

結局16時半まで約3時間ほどずっと待つだけで午後の実習が終わってしまった。

iPadがあったおかげで完全に無駄にはならなかったが、まさかこんなことになるとは。

 

明日はもう少し充実した実習になりますように。

 

実習1日目 タルサ7日目

7/5 9:00~12:00

 

いよいよ実習が始まりました。

今日から2週間を家庭医療で、後半2週間を小児科でお世話になります。

 

1日目は9時集合ということでひとまず学生担当者のオフィスへ。

大学の関連病院とはいえど学生担当者が決まっているとはさすがアメリカ…なんかな?

日本の研修病院の担当についてはあんまり知らないです。

 

ひとまず30分少しで病院の中を歩き回りながら簡単に説明を受けた。

途中ですれ違った先生に紹介されると誰もが「おぉわざわざ日本から来たのね」みたいなリアクションで割と歓迎されている印象。

一番困った質問が、

Do you know what we do in family medicine?

そもそも日本で家庭医療があまり脚光を浴びていないがために戸惑ってしまった。

(もちろん自分がそもそもあまり興味を持ったことがなかったということもあるけど。)

少し困った顔をしていると、

We do everything in family med.

と言われた。聞くところによると、出産からお看取りの全過程を第一線で見るのが彼らの仕事であり、日本の単なる「かかりつけ医」よりかはカバーしている範囲が広く感じた。

From the womb to the tomb と表現されるようにまさに生まれてから死ぬまで見るのが家庭医療の役割である。

 

簡単な説明が終わると担当のレジデント(研修医)に紹介された。

学生1人につき担当のレジデントが1人振られ、さらにレジデントをまとめるのがアテンディング(上級医)という、まさに屋根瓦式を取っているのがアメリカの医学教育の特徴である。

レジデントは当日の朝に外来の担当患者を受付から紹介される。患者さんが来院されて問診室(処置室?)に案内されるとレジデントに連絡がいき、問診室へ向かうという流れととっている。

つまり、日本のように医師のいる部屋に患者さんが入るのではなく、後から医者が問診室に入ってくると順番が逆になっている。

一通り問診や身体診察を終えた医者はアテンディングのいる控室に戻り、患者さんの主訴や状態をサマリーとして伝え、治療方針についての相談を行い、許可が得られれば施行するといった流れを踏むことになっている。

アテンディングは基本的に控室にはいるけど、次から次へと来るレジデントのサマリーを聞いてはそれに質問を加えたり、所見が不十分だと判断したら自分で実際に患者のもとへ行くとなかなかに多忙な様子ではあった。

 

僕ら学生は基本的に先生の後を追いかけるシャドーイングをしたり、場合によっては問診を取らせてもらったりできる。ただ、交換留学生はobserver(見学者)としての扱いなので、実際になにか手技などさせてもらえるかは危ういが…。

 

一通り患者さんを見終わると、必ず「何か質問がないか」と聞かれた。

しかも Do you have any questions? ではなく、What questions do you have? と聞いてくるところやっぱり学生教育には力を入れているのかなぁと思ったり…。

「○○ってどういう意味?」とかわりと馬鹿な質問を投げかけたりもしたけど、逐一優しく教えてくれるのがとてもありがたい。

しかもいつものクセでバカな質問をしたことを謝ると「いいのよ私の勉強にもなるし」と言われて感動した。

たまたま僕の担当医が優しいのかと思ったが、控え室にいる他の医者も学生に対してとても丁寧に教えている様子で、うちの病院ももっとこういうところを見習ってほしいなぁと思ったり…。

 

今日は実習初日ということもあって12時ごろの解散。

交通手段がなかったため、現地の3年生(日本では5回生に相当)するtylerに家までもらった。

ここの学生さんは本当に親切にしてくれるからめっちゃ助かる…。

 

明日の実習は8時集合。

少しは積極的に質問できたらいいんだけど…。

 

余談ではあるけど、オクラホマ州はヒスパニック系が多いため、スペイン語しか話せないという患者さんが来ることもしばしば。

今日見させてもらった最初の患者さん(2歳児と生後2か月の子供)のご家族もヒスパニック系で、常駐している通訳者を介しての問診という少し変わったものも見れた。

 

実習前日 タルサ6日目

パソコンを開くことがそもそもないためか、やっぱりブログあまり続かないようです。笑

 

いよいよ明日からこっちでの実習が始まります。

今までは手続きやオリエンテーションこそあったものの、ほとんどがホストファミリーとの自由時間だったため、わりとゆったりした時間を過ごしていました。

特に7月4日は独立記念日ということでアメリカ全土がお祭りムードになるので、いろいろ楽しめたはず。

 

・ホストファミリーの親の家のプールでひと泳ぎ(しかもジャグジー付き)

・モールで買い物

・近くの湖で花火大会をボートに乗って鑑賞

・同期のホームパーティ(20人ほど)

・家庭医療のインターンの学生を含めたボウリング大会

・裏庭でバーベキュー

 

などなどとりあえず今まで色々と遊びまくってました。

楽しさのあまり実習で来ていることを忘れてしまうこともしばしば…。

 

 

何はともあれ明日は9時から実習が始まるとのことで、果たしてどうなることやら…。

スケジュールは何も言われておらず、現地の学生も前日にならないと分からないとのことです。

タルサ 2日目

朝10時から留学の手続きが必要とのことでキャンパスへ。

 

第一印象はとにかく広い。

土地が有り余っているとは聞いてはいたけどケタ違いに広い。

分校的な位置づけなはずなのに、おそらくうちの大学の5倍の広さがあるのでは…。(もちろん自分の大学が単科大学だから狭すぎるってのもあるけど。)

 

手続きといってもコピーを取って同意書にサインするだけだったので1時間もかからず完了。その後にキャンパス内を案内してもらうことに。

 

学生ラウンジがあるだけでも驚きなのに、ビリヤード台や卓球台、ランニングマシンがついたジム、図書館は棚が電動で動かせるだけでなく使えるパソコンの台数や実習スペースが圧倒的に多いうえにコーヒー飲み放題。

学生は図書館か、個人に与えられたデスク、もしくは共同の自習室(しかも班ごとに一室まるごと与えられる)で勉強することが多いとのこと。

講義室は見れなかったけど、スキルスラボでは診察室だけなく家庭医療の実習のためにアパートの一室に見立てた部屋があり、さらにはUSMLEのStep2CSの試験会場に似せた廊下がありとにかく何もかもがすごかった。

なるべく実臨床に近づけるために、講義室が立ち並ぶ廊下が扉1つを隔てて急に病院の廊下そっくりの様式に代わり、いかに学生教育に力を入れているかがよく分かった。

 

たまたま紹介してくれたスキルスラボではちょうどERの研修医が胸腔穿刺の練習をしているとのことで急遽参加させてもらえることに。

聴診器で呼吸音の左右差を確認してから第2肋間に針を刺して脱気。まさかこんなことを1日目に、しかも見学途中の日本人に急にさせてくれるとかどれだけ心が広いことか…。

 

一通りキャンパスの中を紹介してもらってからは学生課の担当者と学生数人で食堂でランチ。担当者といってもとても気さくな人で、英語は敬語がないため学生と職員間の距離がとても近いように感じた。

 

1学年の人数はおよそ150人ほどで、1,2年の間は全員でOKCで講義を受けるが、3年生の実習からは25人ほどがタルサキャンパスに移動するとのこと。

ただ、昨年からは新しい制度として、1年生からタルサキャンパスで授業を受けられるようになったようで、8月から2年生を迎える学生さんらとしばらくゆっくり話すことに。

 

終わってからは一旦家に戻ってから今度はホームステイ先の学生さんの親の家へ。

野暮用があるからその間にプールで泳げばいいと言われたものの、この家がまたなかなかにごつい。

タルサ市の南部は富裕層の集まりだそうで、実際に日本ではめったにお目にかかれないような豪邸だった。ゲスト用の寝室が5つもあり、地下にはでっかいソファーが5つほど置いてあるオーディオルーム、その横にはカウンターにセカンドキッチンにビリヤード台と、まさにバーを経営できそうな広さの部屋が。

プールは5×15mほどの広さでしかもジャグジー付き。

こんな貴重な経験は二度とできないということで好きなだけくつろがせていただきました…。

 

再び家に戻ってからランチで一緒になった学生さんたちとボウリングへ。

どうやらインターンで一緒の人が集まる会だったようで、自分らを含めて10人ほどいた。

アメリカの医学部は日本では大学院に相当し、しかも学力だけで通るような甘い選考ではないため、インターンなどの活動を通して少しでも医学に触れたり人脈を広げることが必要なのだとか。

しかも医学生になれたとしても、マッチングで少しでも有利になるためにはインターンやはり色んな実績を作っておくことが大事だそうです。

でも話を聞いてる感じだとインターンではある程度の給与が支払われるとのことで、そりゃたしかに僕もそうするわと納得。

今回会った学生さんらは4名が2年生で、4名がundergraduatesと言っていわゆるアメリカの大学生でこれから医学部進学に向けて勉強するとのこと。

 

 

最初はどうなるかと思ってはいたけど、タルサの人がとにかく温かくて、なんとか楽しく過ごせそうな予感がしています。

今後の課題としては、「生きた」英語を話せるようになること。

僕の英語はいわば実用英語と日本の受験英語を混ぜたようなもので、明らかに話してる単語数が多いなぁと気になることがしばしば…。

できるだけ現地の英語に近づけて来月日本に帰れたらなぁ…。

タルサ1日目

アメリカに着いてから4日間はロサンゼルスで観光し、昨日タルサ入りしました。

 
ロサンゼルスについてはまた後日まとめて書こうかと…。
 
朝8時半の便でロサンゼルスからひとまずデンバーへ。トルコで起きたテロ関係で警備が厳戒になってるかもしれないとのことで、6時にホテルを出ざるを得なかった。
 
結局手荷物検査もわりとスムーズに終わり、無事にフライトへ。
今回はUnited Airlinesを使ったのだが、1つ驚いたことが席の前に配置されているスクリーンの代わりにタブレットで映画などを楽しむサービスがあったこと。
テーブルに書いてある広告を目にするまではそのことを全く知らなかったから途中までしか映画が見れなかったのが残念ではあるけど…。
アメリカの航空会社でも普通にアンフェアとか視聴できたこともびっくり。
 
乗り換えでは受託手荷物を引き取る必要がないことを知らずにターミナルを出てしまうというミス。なんとか乗り継ぎの便に間に合ったからよかったけど、また手荷物検査を通ることに…。
 
(面倒になってきたので中略)
 
ホームステイ先はなかなかに快適で、大型犬1匹、猫3匹というなかなかのペット大国。
実習先の大学の学生さんの家に住まわせてもらうことになっていて、しかも家族ではなく彼氏さんと同棲中の家に転がり込むことになりました。笑
 
タルサは田舎町ということもあって、公共交通機関はバスしかなく、しかも本数がかなり少ないために移動は基本的に車ばっかり。僕らは当然免許がないのでいろんなところに連れて行ってもらってます。
 
1日目は家に着いたのが16時頃だったので、ひとまず買い物に行ってから家でご飯を食べながらゆっくり自己紹介。どうやら学生さんはアメリカで生まれ育ったけど、親はアイスランド人だそうで、要所要所でアイスランド語が飛び交ったりするのがまたおもしろかったりもする。
 
話している雰囲気からしてとても優しい人で、少しおっちょこちょいな印象もあるけど、なんだかとても賢そうな人の予感が…。